追加費用なしにはご注意を!格安葬儀を謳う格安葬儀業者にクレームの嵐

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直葬、家族葬などと検索すると14万8000円~など格安の費用で葬儀ができると謳った仲介業者が多数ヒットします。

格安葬儀業者とは

「家族葬」「直葬」という言葉をよく目にします。
火葬のみを行い、読経や葬式を省略することによって追加料金なしの格安で葬儀を行うことで広く知られるようになってきていますが、その実情はというと。。。

例えばある格安業者の直葬プランは価格は18万8000円だが、支払ったお金のすべてが葬儀費用に回るわけではないといいます。
格安葬儀業者は提携先(実際は提携していないこともあります)の葬儀社に仕事を発注しますが、葬儀後に利用者が支払った代金から手数料を取ります。
別の葬儀会社を経営する代表の調査だと、約7万円が激安葬儀業者の取り分となっているということです。

実際の費用との比較

葬儀という一生のうち数える程度しか経験しない行事を、葬儀業者を通さずにやりくりするという方はあまりいないと思いますが、実際はできないことではありません。

最低限必要となるのは以下の通り。
・棺桶
・ドライアイス
・遺体安置場所
・火葬場
・寝台車

骨壺は火葬場で無料でもらえることがほとんどですし、白装束など必要ありません。
棺桶の費用はピンキリですが、Amazonで探すと18,700円(2019年5月現在)から購入可能です。
ドライアイスもAmazonから購入可能で、10キロで約4,000円です。(2019年5月現在)


Amazon以外だと、実はアイスクリーム店で売ってくれる場合もあります。
事前に予約が必要な場合がありますので、お近くのアイスクリーム店に聞いてみてください。
近くのサーティワンアイスクリーム店舗に問い合わせたところ、10キロで3500円程度でしたので、身近にある方は選択肢の一つとして覚えておくといいと思います。

遺体を1日安置するのに必要とされるドライアイスは、体重の4分の1程度と言われていますので、体重50キロの人だと12.5キロ程度あれば24時間~36時間の安置が可能です。
ドライアイスを使用する場所は臓器周辺、首の後ろ(脳)と胸部、腹部の周りです。
※2日、3日と安置する場合、1日目のドライアイスが残っていますので1日目の使用量よりも少なく済みます。

遺体安置場所はまだまだ多くありませんが、ニチリョクの運営する遺体ホテル「ラステル(ラストホテル)」では1泊2日(2日間)12,000円~22,000円で遺体を安置することが可能です。
火葬までの平均的な待機日数は4日と言われているので、だいたい36,000円の費用が掛かることになりますが、一昔前のように自宅で保管することも法的に問題があるわけではありませんので、それが可能な場合は費用は掛かりません。

次に火葬料金です。
格安葬儀業者の多くは全国均一料金としていますが、この料金が一番確認してもらいたいところです。
実は火葬場は地方都市の方が多くあり、地域によっては無料で火葬ができる場合があります。
東京都内に2ヵ所しかない公営火葬場のひとつである臨海斎場の使用料は、大人1人40,000円となっています。
火葬後に使用する骨壺は火葬料金に含まれることがほとんどで、臨海斎場の場合は名入れも無料となっています。

遺体安置場所から火葬場までの移送には霊柩車や寝台車を使用することになります。
タクシーで遺体を運ぶことはできませんが、自家用車で運ぶことは禁止されていません。
とはいえ体液が出てしまうなどの予期しないこともありますので、自家用車ではなく寝台車等で移送することが一般的だと思います。
寝台車の料金は距離別で設定されている場合が多く、10キロ~20キロ程度の移送距離の場合は20,000円が相場です。

霊柩車・寝台車費用がわかる簡易計算機はこちら>

自分で葬儀を行う場合の費用合計は12万6千円

これらの費用を合計すると以下の通りとなります。

棺桶:18,000円
ドライアイス:12,000円(30キロとして)
遺体安置場所:36,000円(3泊4日として)
火葬場:40,000円(臨海斎場の場合)
寝台車:20,000円(10キロ~20キロとして)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
合計 : 126,000円

格安葬儀会社の広告では「骨壺無料」などと記載されていますが、別に彼らが費用を負担しているわけではありません。(骨壺が別途必要な火葬場もありますが)
また、冒頭の18万8千円という費用には1泊2日分の遺体安置費用とドライアイス代が含まれているだけなので火葬場が空いていない場合は1泊あたり1万円以上の追加費用が掛かります。

景品表示法違反が横行

インターネットでの景品表示法違反で、2017年にはイオングループの葬儀会社・イオンのお葬式に、2018年には「小さなお葬式」を展開するユニクエストに措置命令が出されました。
上記のように火葬場に空きがない場合などに発生する追加料金があるのに「追加料金なし」を謳った広告を出していたためです。

イオンのお葬式に業務改善命令>

イオンのお葬式や小さなお葬式を展開する大手はそれだけ利用者数も多く、行政の目も届きますが、中小規模の葬儀仲介業者では一般葬も含んだ葬儀の全国平均金額と、自社の直葬プランの価格を比較して、お得感を強調する景品表示法違反スレスレの業者が多数みられます。
それらの業者の特徴は「提携斎場」という言葉を使っていることが特徴です。
しかし斎場側のウェブサイトを見てみると、多くの場合「特定の業者と提携はしていません」という文言が記載されています。

クレームの嵐。結局追加料金が必要な場合がほとんど

前出の葬儀業者の直葬プランの場合、中抜きされて残った11万8000円で葬儀を執り行うことになります。
私たち個人が個別にそれぞれを利用するよりも割安な価格で契約している部分もあると思いますのでこの金額で十分対応できると思いますが、格安葬儀を利用した経験のある方はこのような感想を持っているようです。

「業者指定の斎場に空きがなく、追加料金を取られた。しかも自宅から25㎞も離れた会館で、親族20人分のタクシー代が発生する始末。揚げ句の果てには寝台車の走行距離が50㎞を超えたと追加料金を取られるハメに」

 

「業者の都合で斎場が見つからず、10日間、遺体を安置する結果に。ドライアイス、安置料の追加料金を取られた」

 

「妻が亡くなった直後、遺体が傷むからと安置所への搬送をせかし、(のちに安置料を稼ぎたいだけと判明)連れていかれた。安置所が廃屋のようだったので、やはり自宅で安置したいと言うと『納棺後なので、追加費用がかなりかかる』と言われ諦めた」

 

「棺代も込みなのに『これはベニヤの安物だから良い棺にしましょう』と、追加で8万円も取られた。抗議すると『葬式やらないぞ』と脅された」

利用者側も追加費用は掛かるものとの理解が必要か

格安葬儀業者は言ってみれば予約代行です。
工務店が大工さんや水道屋さん、壁紙職人に電気工事など複数の人を取りまとめてお客に金額を提示するように、火葬場、棺桶屋さん、寝台車を所有する葬儀会社に連絡してセッティングします。
火葬場が空いていなければ当然安置費用が掛かりますし、寝台車や霊柩車の移送距離が長ければタクシーのように料金がかさみます。

それについての理解がないまま利用することは利用者側にも非があります。
ただし、イオンのお葬式や小さなお葬式のように「追加料金なし」と記載している業者は悪意があるとしか言えません。
また、わかりづらい場所に「追加料金あり」と記載してあったりする場合もあるので、追加料金はかかるものだと思た方が良いのかもしれません。

ペットのではさらに悪質な例も

ペットの火葬を行っている公営の火葬場はそこまで知名度が高くないためか、移動火葬車という火葬業者が増えてきています。
その火葬業者の中には「追加料金を払わなければ飼い犬を生焼けで返すぞ」と脅し、当初の費用より数万円も高額の費用をぼったくるような業者もあるといいます。

ペット火葬についての記事はこちら>

 

参照元:SPA

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