【非常識】千葉県市原市、57体もの遺骨を役所内のロッカーに放置してしまう

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人の出入りがある部屋に3年以上放置され続けた遺骨

千葉県市原市は2017年9月ごろ、市原市庁舎内の一室にあるロッカー内に保管されていた遺骨57体を合葬墓に移送・埋蔵したことを認めました。
保管されていた遺骨のうち最も古いものは2014年から同ロッカー内に保管されていたということです。

ロッカーは市の就労支援員4人が常駐し、生活保護や就労支援の相談に応じていた部屋内にあり、相談に訪れていた一般人も入室する部屋でした。
57人分の遺骨が保管されているというのは、ちょっと想像できません。

放置された原因は引き継ぎ漏れ?

市原市によると、放置されていた原因は担当者の引継ぎがなされなかった為と釈明しています。
しかし、担当者が変わったのは2017年4月。
市原市においては遺骨の管理は3か月に1度行うとされていましたので、2014年に火葬された遺骨が保管されているのは辻褄が合いません。

保管されていた遺骨のほとんどは生活保護者やホームレス等の身元不明者。
遺骨の尊厳を軽んじていたのではないかと言われても仕方がありません。

ちなみに、身元不明者の場合は合同墓などへの埋蔵(埋葬)まで税金で執り行われますが、生活保護の場合は納骨(ここで言う納骨は骨壺に納める)までしか支払われません。
そのため、親類がいたとしても遺骨の受け取りを拒否することがほとんどで、結局税金で埋蔵(埋葬)が行われています。

身元不明者の埋葬は自治体の義務

そもそもなぜ市原市が遺骨を保管しているのかというと、当サイトでは頻繁に出てくる「墓地埋葬法」にその旨の記載があるためです。

第九条 死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。

身元不明者の火葬が頻繁に行われる都市部の自治体は書類のやり取りだけを行って、実際には火葬業者や寺院などに業務を丸投げしていますので、保管するということは必ずしも起きません。
一方、市原市では火葬後の遺骨をいったん受け取った後で引受先を探し移送していたためにこのようなことになっていました。
現在市原市では火葬業者が直接合葬墓に遺骨を引き渡す方法に変更したので、今後このようなことが起きることはありません。

無縁社会への対応が喫緊の課題

以前の記事でも触れましたが独居老人の孤独死問題や無縁墓、持ち主不明の空き家など孤立化した社会が抱える問題は多岐にわたるように感じます。
独身で兄弟もいないという人は、いつか独居老人になる可能性が高いです。
それが悪いことではありませんが、それによって税金が遣われることに「ラッキー」と思うか「恥ずかしい」と思うか「申し訳ない」と思うかは人ぞれぞれ。

早め早めの終活で、多くの選択肢を持っておくことも大切かもしれません。

 

参考元:毎日新聞

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