終の棲家(ついのすみか)には条件があった
全国展開する大手老人ホーム「イリーゼ」に景品表示法違反あったとして、消費者庁は本日(7月4日)「イリーゼ」を運営するHITOWAケアサービス株式会社に対して、再発防止などを求める措置命令を出しました。
消費者庁によると、有料老人ホームのイリーゼは、一昨年9月以降客に配布したパンフレットに「終の棲家(ついのすみか)として暮らせる」と表示して、あたかも本人が亡くなるまで入居できるかのように宣伝していました。
しかし実際に契約を結んでみると、認知症が進むなどして職員やほかの入居者に危害を加えるおそれがある場合は、契約を解除することがあると記されていたということです。
イリーゼとは
大手有料老人ホームの「イリーゼ」は、東京都港区六本木に本社を置くHITOWAケアサービス株式会社(代表取締役社長 袴田義輝)が運営しています。
HITOWAケアサービス株式会社の主な事業内容は以下の通り。
・有料老人ホームの運営
・サービス付き高齢者向け住宅の運営
・介護保険法による指定居宅介護支援事業
・介護保険法による次の居宅サービス事業
・訪問介護
・訪問看護
・通所介護
・短期入所生活介護
・特定施設入居者生活介護
・認知症対応型共同生活介護
・認知症対応型通所介護
・福祉用具貸与及び特定福祉用具販売
HITOWAケアサービス株式会社の親会社はHITOWAホールディングス株式会社で、主に以下の事業を子会社化しています。
・イリーゼ(老人ホーム)
・おそうじ本舗(掃除代行)
・マイスターコーティング(ハウスコーティング)
・マイ暮らす(家事代行)
・靴専科(皮革製品修理)
・お直し職人(洋服のお直し)
・KEIROW(マッサージ)
・太陽の子(保育サービス)
・わらべうた(保育・ベビーシッター)
・ふぁんぱりん(こども英語)
・スマイルサポート(介護・保育・看護人材派遣)
旧社名は長谷川ホールディングス株式会社ですが、「お仏壇のはせがわ」とは無関係です。
「おそうじ本舗」は最近CMで目にする機会が多いので知っている方も多いのではないでしょうか。
「靴専科」は東京・神奈川を中心に110店舗超あり、ミスターミニット(300店)まではいかなくとも首都圏では有名な靴修理店のようです。
今回、景品表示法違反で消費者庁から措置命令を受けたのは、老人ホームの「イリーゼ」を運営するHITOWAケアサービス株式会社のみで、それ以外の会社に措置命令は出ていません。
「おそうじ本舗」も「靴専科」もフランチャイズ方式で店舗展開していますので、人(加盟店オーナー)に厳しく自分に甘い体質なのかもしれません。
「おそうじ本舗」にいたっては、被害者の会なるものも存在するようです。
景品表示法とは
景品表示法とは、以下に定められた法律で罰則があります。
景品表示法第5条第2号
(1)実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの
(2)競争事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの
であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止する。
景品表示法に違反すると
誤認があったと認められたら、その業者は指導を受けます。
それでも改善されない場合、措置命令の後に課徴金の支払いを命じられます。
今回のHITOWAホールディングス株式会社は、措置命令後に記載のあったパンフレットとwebサイトから「終の棲家」という文言を削除していますので、会社名の公表でそれ以上のことはありません。
措置命令を受けた会社は「今回の措置命令を真摯に受け止め、再発防止に努めてまいります」とコメントしています。
つい最近も「イオンのお葬式」が消費者庁から措置命令を受けましたが、わたしたち消費者からすると広告を信用するしかないので、正しい情報を掲載してもらいたいと願うばかりです。