ペットの供養
ペットを火葬する
ペットを納骨堂に納骨したい場合は、まず火葬をする必要があります。
納骨堂を経営する業者さんがペット火葬を行っていることもありますが、個別火葬であればどこでペットを火葬しても問題はありません。
ペットが亡くなってしまったときに役所(清掃課など)に連絡すると、引き取って火葬してもらえますが、その場合は他のペットや野生動物と合同での火葬または一般廃棄物としての火葬になりますので、ほとんどの場合飼い主さんが個別に火葬場を手配する必要があります。
法律による規制が無い
ペットの火葬が済んだら骨壺に納めていただき、しばらく自宅で供養してもいいですし、すぐに納骨堂に移してもいいので、飼い主さんのお気持ち次第で大丈夫です。
気持ちを整える時間、納骨堂を探すことになると思いますが、まず知っておいていただきたいのはほとんどのペット納骨堂は意外と小さな民間業者が経営している場合があるということです。
人の遺骨を預かる納骨堂の多くは、お寺やある程度規模の大きな霊園(民間含む)などが経営母体になっており、都道府県知事(一部は市)の許可を受けなければならないと法令で定められています。
その許可には永続的に納骨堂(墓地・霊園)を運営できることが必要とされています。
半面、ペット納骨堂の運営には直接的な法令による規制がなく、近隣住民や環境保全への配慮などを自治体独自で条例を定めているだけなのです。
納骨堂のリスク
廃業・倒産
人の納骨堂と異なり、ロッカー状の棚を装飾したものがあるだけというペット納骨堂がたくさんあります。
それが悪いということではなく、棚を用意して条例に定められた許可を取れば少ない資本で事業が出来てしまうことが問題になることがあります。
要するに倒産のリスクが大きいということです。
豪華な納骨堂ならいいと言わけではなく、多額の設備投資が回収できずに倒産することも考えられます。
お寺なら安心と感じる方は多いと思いますが、お寺の場合は倒産というより廃業が心配されます。
住職さんがおひとりで支えていらっしゃるところは、後継ぎがいないかもしれません。
そうなると廃業ということになってしまいます。
ただし、ほとんどのペット納骨堂は遺骨の預かり期間を1年以内に設定していることが多いので、仮に納骨堂にペットの遺骨を預けていても、引き取ればいいだけなのでそこまで問題になることはないと思います。
(2万円~3万円は無駄になってしまいますが。)
しかし、納骨堂とペット霊園(墓地)を兼ねている場合はそうはいきません。
納骨期間が終わったらそのまま合祀(合同埋葬)されることがほとんどで、掘り起こすことは現実的ではないからです。
管理費
倒産や廃業は利用者が困るのはもちろんですが、ペット霊園の運営会社も倒産したいわけではありません。
そのために起きることが管理費の増額です。
ペットの永代供養(合同墓)だと埋蔵時に一括で支払って、追加費用が無いところがほとんどですが、個別墓地の場合は年間の管理費を支払うことがあると思います。
危なくなってくると、この金額が年々上がっていく現象が起きます。
もちろん契約書にも金額変更の可能性はまず書かれていることなので仕方ない場合もありますが、火葬したペットの遺骨を掘り起こすことが心情的に出来ない利用者に付け込んでくる業者もいないとは言えませんので、事前にしっかりと確認するようにしてください。
ペットの納骨堂の選び方
ペットの納骨堂を選ぶときにはどこを選べばいいのでしょうか。
ポイントは
・本業が他にある
・会社の規模がある程度大きい
・倒産した場合のことが書いてる
・丁寧である
本業が他にある
同じ敷地内であっても、ペットの火葬を行っていたり墓石を販売していたりする場合は、少し安心できます。
仮に納骨堂や霊園が赤字でも、突然倒産することはないと言えるでしょう。
ペットの納骨堂だけでなく、わたしたち人が入る墓地・霊園を兼ねている場合で、極端な過疎地域でなければまず安心です。
規模
会社組織ではなく個人として納骨堂を経営することを条例で禁止しているわけではありませんので問題というわけではありませんが、やはり株式会社や宗教法人として登記されている方が個人と比較して少しは安心ではないでしょうか。
また、自治体が埋葬を委託している業者さん(お寺)なら大規模な場合が多いので、自治体に確認してみるのは個人的におすすめの方法です。
リスクについて
契約書に倒産や廃業したときの対応が書かれていることは大きな安心になります。
たとえば、「倒産した場合は○○寺がペット納骨堂(霊園)の運営を引き受ける。」などと書いてあれば一応は安心できます。
しかし残念ながらこのようなケースもあります。
・○○寺がペット納骨堂の経営者と家族
・○○寺は、引き受けることを知らない
ないとは思いますが、このようなリスクもあるにはあります。
丁寧
これが最も大切だと思います。
親切で丁寧であれば、その評判は口コミで広がります。
ペットの中でも特に犬を飼っている人同士はコミュニケーションが多いため、口コミが広がりやすい傾向にあります。
口コミで良い評判が広がっている業者さんは、商売が繁盛していきますので安心と言えます。
納骨にかかる費用
納骨にかかる費用はいくつかに分けられます。
・火葬料金
・納骨料金
・管理費
・墓地(個別・合同)埋葬料
●火葬費用
ペットの大きさや体重によって異なります。
また、合同火葬か個別火葬かでも料金は異なります。
引取り | 1キロ未満 | 5キロ未満 | 25キロ未満 | 50キロ未満 | |
公営(個別) | 可 | 10,000円 | 20,000円 | 25,000円 | 30,000円 |
公営(合同) | 不可 | 3,000円 | 不可 | ||
自治体 | 不可 | 3,000円 | 不可 | ||
民間(個別) | 可 | 20,000円 | 30,000円 | 40,000円 | 50,000円 |
※金額は目安です
●納骨費用
納骨堂:10,000円~40,000円
※初回使用権料が別途必要な場合があります。
※自社で運営するペット火葬場を利用すると1年間無料というところもあります。(火葬が割高です)
●納骨堂管理費
10,000円~40,000円/年
1年間あたりの金額は納骨費用と同額の場合が多いです。
●埋葬料
合葬(共同墓地):10,000円~20,000円(自治体で火葬した場合は無料です。)
埋葬(個別墓地):150,000円~800,000円(墓地の大きさ、墓石により大きく異なります)
●墓地管理費(継続使用料)
20,000円~50,000円/年
長期間預けるなら
火葬をして納骨堂に10年預けていた場合の費用は、もっとも安い場合で15万円ほどです。
納骨堂には1年、その後は合同埋葬(永代供養)をする場合は合計5万円程度でできます。
この金額はいわゆるロッカータイプの納骨堂とその業者の合同墓に埋葬した場合の費用です。
規模のしっかりしたお寺の納骨堂に10年預けていた場合の費用は、だいたい同じ15万円ほど。
納骨堂に1年、そのあと合同埋葬(永代供養)する場合の合計も15万ほどです。
長期間預けるなら民間の納骨堂に短期間預け、その後に合同墓に埋葬するのが断然安く済みます。
お財布と相談しなければならないことですが、ぜひ参考にしてみてください。
気を付けたいこと
ペットの納骨堂を決めるとき、どうしても家から近いところを探します。
いつでも会いに行きたいと思うので、飼い主さんの気持ちは良く分かります。
しかし、家から近いところに良い納骨堂(霊園・墓地)があるとは限りません。
少し離れていても、納得のいくペット納骨堂やペット霊園を探しましょう。
書いたように、納骨堂とはいえ人の納骨堂とは異なり49日や1年間までと期間が定められていたりしますので、家から近いところを探しているのであれば1年くらい自宅で供養してあげても良いと思います。
その間にお墓を探したり、自宅や海などに散骨することを考えてみてはいかがでしょうか。
東京・神奈川近郊の一部の自治体が埋葬を委託している霊園です。