自分でする粉骨のススメ|業者が安心ですが、本当に心を込めて粉骨できるのはやっぱりセルフ粉骨です。

散骨

粉骨に資格や許可は不要

自分で散骨するにしても、手元供養の為に容量を減らすためにしても粉骨は必要です。
では、粉骨をするために許可や資格が必要かというと、まったく必要ありません。

ではなぜ粉骨を代行する業者がたくさんあるのでしょうか。
その答えの前に粉骨のやり方を説明します!

粉骨の流れ

骨壺の開封

まずは骨壺の開封から始まりますが、自宅で保管していたという前提ですすめます。
なぜかというと、お墓の中(下)に安置されていた骨壺は、たいてい亜熱帯に属する日本の湿気にやられています。
骨壺の形状や安置方法ににもよりますが、水が溜まっていることもあり、この場合は専門の粉骨屋さんにお願いした方が無難です。
※多くの場合、粉骨屋さんでも乾燥費用が別途かかります。

さて開封ですが、たいていの骨壺は蓋が乗っかっているだけのはずですから、持ち上げれば取れます。
持ち上げても取れないものは、ネジ山が付いているタイプですので、やさしく回して開けてください。

蓋を開くと、火葬されたそのままの状態で遺骨が入っています。
関東では、足の骨から順番に入れていくことが多いため、頭蓋骨が一番上にあるはずです。
バラバラに入っていることも多いので、骨が入っている順番を気にすることはありません。

遺骨以外の除去

骨壷を開封した後は、ステンレスやガラスのバット(平らなお盆状のもの)の上にすべて出し広げます。
このとき、何を使用して出すのか悩ましいところですが、素手またはゴム手袋、使い捨ての箸とハケを使うと出しやすいと思います。
軍手は、使うと粉状になっている骨が軍手に付いてしまうため避けましょう。

出し広げたら、銀歯やボルト、棺桶の燃えカスなど装飾品など遺骨以外のものを取り除きます。
銀歯や装飾品については、形見として遺される方もいれば普通に捨てる方もいますから、本人のお気の済むようになさってください。このとき磁石があると便利です。

取り除いたら今度は乾燥ですが、この時点でカビなどが生えていないかも確認してください。
カビが生えている場合はガスバーナーを使用して加熱滅菌処理をしましょう。

わたし個人としては、一度焼かれたとはいえガスバーナーで焼いてもらいたくないので、時間はかかりますが赤外線(カーボン)ヒーターなどの熱処理がいいと思っています。
※火の取り扱いには十分お気を付けください。

カビの問題がなければこの工程は不要です。

乾燥させる

ガスバーナーの工程があれば、そこですべて乾燥させてしまうので、この乾燥工程はいりません。
そうでない場合で火葬から時間が経っている場合は粉骨の前に乾燥させましょう。

火葬後すぐに粉骨するのであれば乾燥は不要と思いますが、遺骨の保管状態によっては行った方が無難です。
なぜなら、湿気があると粉状にならない可能性があるためです。

乾燥の方法は上記の2つ、赤外線ヒーターやガスバーナーのほか、自然乾燥と乾燥材による強制乾燥などがあります。

自然乾燥は風通しの良い屋内で、上記ステンレスバットなどになるべく広げておきます。
極端に湿っているようであれば新聞紙など使ってもかまいません。
屋外は風の影響を受け、最悪の場合遺骨の一部が飛ばされてしまうかもしれませんのでやめましょう。
だいたい丸2日~3日くらい乾燥させればいいと思います。

強制乾燥は、遺骨を市販の乾燥材(食品用)と一緒に袋に入れます。
※ジップロックはジップ部分に遺骨が入ってしまいますからやめましょう!
こまめに乾燥剤を変えながら2日~3日置いておくか、時間がなければ袋を密閉してドライヤーを当ててください。

遺骨の一部を取り、ためしに粉砕してみてサラサラな状態であれば大丈夫です。

粉骨する

乾燥が終わったら、いよいよ粉骨です。

自分で粉骨する方法は4種類あります。
・袋に入れて叩く方法
・骨壺の中で押し潰す方法
・ミル(フードプロセッサー)を使用する方法
・乳鉢を使用する方法

袋に入れて叩く粉骨

丈夫なポリ袋に遺骨を入れ、麺棒などで叩く方法です。
尖った部位もあるため、かならず袋を2重3重にして行ってください。

この粉骨の方法は直接遺骨に触れることがないため、自宅にあるものでできるのが利点です。
半面、しっかり細かくならないことと、遺骨をガンガン叩くことに抵抗を覚える場合があります。
また骨が硬い部分もあるため、うまく粉骨できないこともありますが細かくなっていれば散骨はできます。

骨壺の中で押しつぶす粉骨

遺骨の量に対して一回りか二回り大きな骨壺を用意するか、別の骨壺をもうひとつ用意しましょう。
麺棒の先などで押し潰します。
この粉骨の方法は骨壷から遺骨を取り出さないで粉骨できることが利点です。

半面、小さい骨壺ほどその厚みが薄いため、あまり力を入れすぎると骨壺が割れてしまい大変なことになったり、底の方にある骨が砕けにくいことがあります。
また、力を入れすぎることができないため、上記と同じく遺骨が硬いとしっかり粉骨できない場合があります。

ミルを使用して粉骨

フードプロセッサー(ミル)に数回に分けて遺骨を入れ、粉骨する方法です。
遺骨の硬さに関わらず短時間で力を使わず、ほぼ粉体にできることが利点です。

半面、料理に使用しているミルを使うわけにはいかないため、新たにミルを購入する必要がありますし、その行為自体にたいていの人は抵抗があると思います。
また、ミルは分解して洗うことが出来ますが、その構造(ブレードとネジ部など)と遺骨が細かくなりすぎるため、ごくわずかではありますが微粒子となった遺骨は最終的にはそのまま処分するか、洗い流さなければなりません。

簡単で楽なのが特徴ですが、少々費用が掛かってしまいます。

乳鉢を使用して粉骨

乳鉢に数回に分けて遺骨を入れ、乳棒を使用してすり潰しながら粉骨する方法です。
乳鉢は漢方やスパイス、岩石などを砕いて粉末状にするためのものなので、その構造と素材が粉骨に非常に適しています

セラミックや大理石、御影石などの硬い自然素材でできていることが多いため、遺骨を取り扱うのに力を入れやすく、割れてしまう心配もありませんし、遺骨に触れるものが自然素材なのはいいことだと思います。
また乳鉢と乳棒以外に部品もないため、遺骨を余すことなく取り出すことが出来ます。

半面、大きな乳鉢というのは少なく、何度もすり潰さなければならないため時間と手間がかかります。
また、乳鉢をもう一度使う機会もおそらく無いため、ミルと同様出費になってしまいます。
※すり鉢とすりこぎで粉骨しないでください。すり鉢の目に遺骨が入ってしまい取り出せなくなります。

パウダー状にはなりません

乳鉢を使用して何回かに分けて粉骨していく場合、業務用粉砕器(ミル式)のようなパウダー状には完全になりません。
勘違いしてはいけないことですが、粉骨の目的はパウダー状にすることではありません。

本業のオプションとして粉骨を行っている、または粉骨を外注している業者さんは、サラサラのパウダー状にすることをババーン!と押し出していたりします。
しかし、これは大きな間違いです。

機器の価格が安く、1分~数分で粉砕が完了するカッター(ミル)タイプの業務用粉砕機を使用すると、勝手にパウダー状になるのです。
岩谷産業のミルサーと同じです。
(お茶の葉が数秒で粉末になるやつです。)

遺骨と分からなければ散骨することも可能です。

自分では無理かも、と思ったら

ここまでで作業としては難しいことはありませんが、乳鉢やミルを購入したり(1度きりの為に)身近な人の骨を乾燥させたり、骨を砕いたりすることに抵抗を感じる人はとても多いと思います。

それでも散骨だけは自分でしたい。
大きな骨壺を小さく変えたい。
でも器具を揃えるのも大変そうだし、丸1日遺骨を砕くのはちょっと、、、
という方には、やはり専門業者をおすすめします。

それが冒頭の粉骨業者が多いわけです。
やはり遺骨を、まして親・兄弟の遺骨を取り扱うのは正直なところ難しいですし、私が実際に自宅でペットの粉骨をしたときも、すごい筋肉痛になりました。。。

当サイトの粉骨ランキングにもランクインしている業者さんでは、粉骨の様子がわかる動画が紹介されているので気になる方は見てみてください。

動画のページはこちら>

 

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