粉骨とは
通常の葬儀、埋葬を行う上では必要のない工程のため、あまり一般的ではないかもしれませんが、散骨などの自然葬を希望する人が増えてきたり、孤独死してしまった方の遺骨を自治体が保管しなければならない場合に粉骨を行うことがあります。
粉骨とは火葬が済んだ遺骨をご自身または業者に頼んで粉砕することです。
粉骨後に散骨をする場合、それが遺骨だと分からない状態にすることがマナーとして求められています。
法律や条例で、遺骨だと分からない状態の具体的な指針は示されていませんが、○○協会では2ミリ以下程度と独自に不思議なガイドラインを定めています?

粉骨を扱う業者
粉骨の相場を知る前に、粉骨を行う業者は大きく分けて2種類あります。
●粉骨・散骨専門業者
●本業のオプションで粉骨してくれる業者
専門業者
粉骨と散骨を専門に行う業者さんです。
個人で散骨を希望される場合や、散骨を委託する場合に利用することになる業者さんで、散骨を委託すると粉骨も同時にしてくれますが、粉骨だけ依頼することもできます。
利点は専門業者なので細かいニーズに対応が出来ることと、使用している機器に配慮している業者さんがあるということです。
粉骨に関してデメリットはありません。
オプション業者
遺品整理や墓じまい、石材店や霊園の運営が本業の業者さんです。
遺品整理の際に出てきた遺骨や、墓じまいの際に取り出したとき、樹木葬などを行うときに本業のサービスと同時に粉骨してくれます。
利点は依頼していた作業と並行して粉骨を行ってくれるため面倒がないということです。
反対にデメリットは、細かいにニーズに対応できないことと、遺骨の取り扱いが心配という点、多くは外注で割高という点です。

粉骨の平均は約2万円
粉骨専門の業者さんもオプションで粉骨を行ってくれる業者さんも含めたサンコツオンラインのランキングでは粉骨の平均金額は21,170円でした。
※最安値は10,000円
ただし、別途必要になってくる費用もありますのでご紹介します。
送料
墓じまい業者さんの場合は、その費用自体が数十万円~百万円近くになることもあり、粉骨に関しては送料がかからないことがほとんどです。
他方、粉骨業者さんの場合は往復または業者さんまでの送料が実費となります。
送料が無料でも、梱包料という名目で費用が掛かることがあります。
乾燥費用
どちらのタイプを選択してもかかるのが乾燥費用です。
火葬してすぐの状態の遺骨であればかかりませんが、一度お墓に入っていたものや1年以上自宅供養していた場合は乾燥費用が必要になることがあります。
なぜかというと、火葬してカラカラに乾いた状態の遺骨は空気中の水分を含みやすいことと、場合によっては雨水などが骨壺に混入してしまっているためです。
この乾燥費用は1万円前後です。
骨壺の大きさ
粉骨費用の平均は約20,000円と言いましたが、骨壺の大きさによって価格が異なる業者さんもあります。
理由は関東と関西で使用する骨壺の大きさが異なるためです。
関西では4寸または5寸の骨壺を、関東では7寸の骨壺が使われます。
よって、関西圏の場合は10,000円。関東圏の場合は15,000円というような具合です。
安く粉骨したい場合は、一律料金の粉骨業者さんを選ぶと良いでしょう。
たまに「粉骨5,800円」などと書いている業者さんを見つけますが、骨壺の大きさは3寸までと小さく書いてあったりしますので、気を付けてください。
なにより粉骨方法や乾燥方法などが記載されているかしっかり確認するべきです。
細かいニーズなら専門業者
オプションで粉骨を行ってくれる業者さんにはない細かいサービスと品質を選べるのは専門の業者さんです。
人の手で時間をかけて粉骨してくれたり、粉骨した遺骨にカビが生えたり劣化したりしないように処理してくれる業者さんもあります。
もちろん分骨にも対応してくれることがほとんどなので(業者さんによっては有料)、 手間はかかりますがお墓はお墓のプロ、粉骨は粉骨のプロにお願いするのが断然おすすめです。
手粉骨
遺骨を人の手で粉骨するサービスです。
粉骨業者が主に使っている粉骨機器はフードプロセッサー(ミル)式で 、高速で回転するカッター(ブレード)が遺骨をパウダー状に粉砕します。
遺骨を金属のカッターで切り刻むのに抵抗がある方は利用すると良いでしょう。
手粉骨の特徴としてパウダー状にならないことがありますが、散骨することに違法性はもちらん、なんの問題もありません。
真空処理
粉骨した後の遺骨を密閉容器に入れ真空処理を施します。
これによって永い間粉骨した遺骨の状態が変わることなく自宅供養ができます。
ただ一口に真空処理と言ってもその方法には種類があるため、完全真空してくれるところを選ぶと良いでしょう。

遺骨の預かり
粉骨した遺骨を一定期間預かってくれるサービスです。
引っ越しまでの間や散骨するまで時間がかかる場合に利用すると便利です。
短期間であれば無料で預かってくれる場合もあります。
水溶紙(水溶袋)
専門業者に粉骨をお願いすると、その遺骨を散骨するのか手元供養するのか聞かれます。
この時、海に散骨すると伝えると水に溶ける紙で包んでくれたり水に溶ける袋や容器に入れてくれます。
これが意外と大切で、粉骨した遺骨を海に直接撒くと船の側面に遺骨がくっついてしまいます。
粉骨した遺骨を海に散骨する場合は必須です。
同じ金額なら絶対専門業者
粉骨と散骨に特化しているため、粉骨だけではなく粉骨後のことにまでこだわったサービスが特徴です。
故人にとっても最初で最後の粉骨になりますので、 同じ金額なら専門業者を選んだ方が安心・安全です。
利便性ならオプション業者
墓じまいや遺品整理に合わせて粉骨を行う場合、もう業者さんを探し疲れているかもしれません。
そこからまた粉骨業者を探すのは骨が折れますよね。
粉骨の方法やその後の処理についてこだわりがなければ、オプション業者を選ぶ方が面倒がないのでおすすめです。
とにかく安く
粉骨自体の平均金額は約2万円です。
※最安値は10,000円
これに乾燥と手粉骨のオプションを付けると、3万円~4万円程度になる場合があります。
この金額でも高い。もっと安く粉骨したい!
という場合は、皆さん自身で粉骨することをおすすめします。
自分で粉骨する方法は4つです。
・袋に入れて叩く方法
・骨壺の中で押し潰す方法
・ミル(フードプロセッサー)を使用する方法
・乳鉢を使用する方法
家にあるものだけでできる方法もあるので、とにかく安く粉骨したいという方は是非参考にしてみてください。
自分でできれば0円で粉骨です。

