粉骨したら真空処理も忘れずに!|大切な遺骨にカビや湿気で劣化させない方法と対策

散骨

粉骨する理由

粉骨をする理由は3つあります。

(1)ひとつは大きい骨壺が場所を取っているなどの理由で、嵩を減らしたいとき。
(2)ひとつはペンダントヘッドなどに入れて肌身離さずいたいとき。
(3)ひとつはご自身で海や山に散骨したいときです。

今回取り上げるのは、(1)と(3)です。

粉骨した後

粉骨を業者にお願いするときも自分でするときもそうですが、粉骨したということはその後散骨をするか分骨をするか、または手元供養をすることになると思います。
手元供養なら、おそらく長い間に渡って遺骨を身近に置いておくと思います。
散骨する場合も、すぐに散骨に行けないこともあると思います。

その場合は、粉骨した後に真空処理をしてもらうことをおすすめします。

理由は、カビや湿気、劣化を防ぐためです。

真空処理とは

真空処理とは、粉骨してもらった(または自分で粉骨した)遺骨を専用のポリ袋やアルミ素材の袋に入れ、その袋の中の空気をすべて抜くことです。
真空処理をすることで、遺骨が空気に触れることが無くなり、永く遺骨を劣化から守ってくれます。

ただし、気を付けなければならないこともあります。

真空処理について知っておくこと

真空処理をした方がいいことはなんとなく分かりました。
しかし真空と言っても、実は真空になっていないことがほとんどなので注意が必要です。

どういことかというと、真空処理には大きく2種類があります。
・空気を抜く方法
・圧力を下げる方法

このふたつの方法の違いを簡単にご紹介します。

空気を抜く方法

分かりやすいのが布団圧縮機です。
掃除機(ノズル)を差し込み、袋の中の空気を抜く方式で、みなさんも使ったことがあるのではないでしょうか?

この方法はとても簡単(空気を抜くだけ)に真空パックができるため、家庭で肉や魚を真空パックするときもこの方式を採用しています。
半面、布団圧縮機を使ったことがある方ならわかると思いますが、やはりすべての空気を抜くことはできません。
そうです、実は真空とは程遠いいのです。

しかも今回は内容物が粉骨した遺骨ですから、真空に近づけようとすればするほど空気を抜くノズルに遺骨が吸い込まれてしまう可能性が高まってしまします。

この方式で液体の入った袋の空気を抜くと分かりやすいですが、当然液体も一緒に吸い込まれます。

こちらの動画をご覧ください。


※動画:Genetech G.K.

掃除機と同じ方法で空気を抜くわけですから、至極当然の結果です。
1社を除き、全ての粉骨・散骨業者はこの方式です。

圧力を下げる方法

圧力について詳細に書くと誤った記述になりそうなので避けますが、分かりやすい例えは山などの高所でしょうか。
山に行くとお菓子などの袋がパンパンになるのを見たことがありますよね?
理由はお菓子の袋の中の空気より周囲の気圧が低いためで、その気圧の差によって膨らみます。

逆に、もしエベレストの山頂でお菓子を袋詰めして密閉し、私たちのいる地上の気圧にお菓子の袋を持ってきたらペシャンコです。

この原理を利用した真空処理は、ほぼ完全な真空状態を作れます。
※絶対真空ではありません。
密閉した状態でペシャンコになりますから、液体でも粉体でも問題なしです。

圧力を利用した真空処理ができる業者さん

それなら断然、圧力の方でやってもらいたいですよね。
でもこの機械、調べてみたらめちゃくちゃ高いみたいです。

今のところこの方式で真空にしてくれる業者は1社だけ。
当サイトの粉骨ランキング>1位、三ツ星ベリアルサービスさんです。

すでに粉骨してしまっていても、真空処理だけでもしてもらえたらいいのですが、現在のところそのようなサービスは行っていないようです。
残念です。。。

真空機器だけじゃない

ここまで機器の話をしましたが、実は袋も重要なんです。
世の中には真空パックに使う袋(ロールも含め)の種類は大きく3種類あります。

ロールタイプ専用袋

安価な家庭用真空パック機に使用する専用のロールです。
プリンターと同じく、真空パック機(プリンター)を安く販売して、専用のロール(インク)で儲けるという手法ですね。
家庭用なので機器自体は空気を抜くタイプで、ほとんどの袋がエンボス(凸凹)加工がされており、ノズルで空気を吸い出すときに空気の抜けが良くなるようになっています。

専用袋はラップやアルミホイルのようなロール状になっていて、シール(熱で口を閉じる)部分が少ないため衝撃に弱く耐久性はありません。
空気を抜くタイプに使用するので、完全な真空にはなりません。

透明袋タイプ

シール(熱で口を閉じること)可能な透明なポリ袋タイプです。
空気を抜く部分以外のシールはしっかりしており、真空機器の種類と袋の素材(厚み)によりますがとても耐久性があります。

ただし、ポリ素材ではどうしても解決できない問題があります。
それは、少なからず空気が入るということです。(一部ガスバリア性のあるものもあります)
もし圧力タイプの真空機器で真空処理をしてもらっても、ポリ素材ではごくわずかずつですが空気が入ります。

いつかは散骨するというなら問題はありませんが、末永く手元で供養なさりたいなら、次のタイプがおすすめです。

アルミ袋

もっとも真空処理に適したタイプがアルミです。
思い浮かべてほしいのは、ちょっと高級な海苔やコーヒー豆、そして宇宙食です。
どれもアルミ素材の袋に入っています。
なぜなら、密閉されていれば一切のガス(空気)が入らないからです。

粉骨された遺骨の中身を見たいなら仕方ありませんが、アルミ素材であれば湿気やカビや酸素の影響を受けず、遺骨を半永久的にそのときのままの状態で保存できます。

よくある間違い

アルミの袋が明らかに優れているわけですが、実はアルミの袋にも2種類あります。
ややこしいですね(笑)

1つはアルミ箔(本当のアルミニウム)でできたもの。
1つはプラ素材にアルミの色を付けた(圧着させた)ものです。

1つ目のアルミ箔でできたのもはガスバリア性があり、2つ目の方は遮光が目的です。
そのため、1つ目のアルミ箔でないと真空としては意味がありません。
見分け方は、光に透かしてみて透けて見える方がアルミ圧着、透けて見えない方がアルミ箔です。

わたしたち利用者がここまでこだわるかどうかは分かりませんが、出来ることは全部やるというスタンスは大好きです。

粉骨業者さんで真空処理をしてくれるところはいくつかありますが、先に書いたように圧力タイプの完全真空処理を行ってくれるところは今のところ1社しかありません。
アルミの袋を使用しているところも3社程度です。

しかし、知ってか知らずか間違った情報を宣伝文句にしている業者さんもあります。

真空処理したから大丈夫

業者さんによっては、真空処理をするから半永久的に遺骨の状態は変わりません!と堂々と、むしろ自社の強みとして宣伝していることが見受けられます。
しかし、みなさんはもうお分かりのとおり、それができるのは次の条件が重なった時だけです。
・圧力型の真空機器を使用していること
・アルミ素材の密閉袋を使用していること

業者さんにしても騙すつもりはないのかもしれませんが、結果として間違った情報なので、利用者である私たち自身が気を付けるしかありません。

酸素が無ければ劣化しない

これはとても親切な間違いだと思っています。
エージレスというものや、エバーフレッシュという脱酸素剤を遺骨の袋に同封してくれるというものです。
※湿気を吸うシリカゲルとは異なります。

脱酸素剤によって袋内の酸素がほぼゼロになるため、酸素を必要とするカビなどのバクテリアが繁殖できないという仕組みです。
しかし先に書いた通り、アルミ素材の袋でなければ微量ながら空気は出入りできます。
脱酸素剤が吸収できる酸素の量には限界はありますし、その量はとてもわずかです。

もし圧力タイプの真空機器ではなく、袋もポリ袋であったなら、残念ながら脱酸素剤を入れても効果はありません。
これは脱酸素剤の製造会社にも記載があることです。

むしろ安い

ここまでで粉骨後の真空処理の違いが分かって頂けたと思います。
でも、それこそ宇宙食っていうわけでもないし、そこまで真空にはこだわらないし、そんなにすごいことならお高いんでしょ?
普通の真空処理だけで十分では?

そう思いますよね。

でももし、金額が変わらなかったらどうですか?
むしろ安いとしたらどうしますか??

粉骨ランキング1位は伊達じゃないです。
三ツ星ベリアルサービスは完全真空とアルミ袋採用で、業界最安値。。。
ちょっと選ばない理由が見当たりません。。。

BURIAL THREE STARS
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