粉骨機器にも種類がある|後悔しないための粉骨機器選び

散骨

3通りの粉骨方法

自分で散骨をする場合ではなく業者に散骨を依頼した場合、粉骨の方法は4通りあります。
・カッタータイプの粉砕機
・乳鉢タイプ
・ボールミル
・人の手

カッタータイプ

カッタータイプの粉砕機は、とても簡単に言うとフードプロセッサー(ミル)です。
スパイスや漢方などを粉末にする際に使用するのが一般的な使い方のもので、ほとんどの業者がこのタイプです。

この方法のメリットとデメリットは何でしょうか。

メリット

この機器の利点は、とにかく作業が早いことです。
容器に入れた遺骨を粉末にするのにかかる時間は、ほんの1、2分です。

直接立ち会って粉骨を行う場合、お客さんにとってこの速さは魅力です。
また業者からしても、機器の価格も安価で、かつ作業の回転率を上げられるためとても経済的で効率的です。

デメリット

フードプロセッサーと同じ原理なので、遺骨がカッターで切り刻まれることになります。
また、容器がねじ止めされていたり、回転する歯もねじ止めされているため、粉末となった遺骨がどうしてもすき間に入ったり、容器自体に密着してしまい100%集めきれないことがあります。
ほんのわずかな粉体ですが、気にする方にはデメリットになるかもしれません。

画像:ラボネクト株式会社

乳鉢タイプ

画像:Retsch

乳鉢タイプは乳鉢と乳棒によって、ゆっくり時間をかけてすりつぶし、粉骨するものです。
日本画に使用する岩絵の具などの顔料を作る際に使用されたり、医療現場で使用されたりするのが一般的な使用方法で、この手間のかかる方式で粉骨しているのは、わたしの知る限り1社だけです。

この方法のメリットとデメリットはなんでしょうか。

メリット

メリットは切り刻むことなく時間をかけてゆっくり粉骨するため、遺骨にやさしい粉骨と感じることです。
遺骨に刃物(金属)を使うことに抵抗がある方は多いと思います。
そして、ねじ止めしているところがなく乳鉢の中だけで作業が済むため、ほぼ100%遺骨を回収できる点も大きなメリットです。

デメリット

反対にデメリットは時間がかかる点でしょうか。
この機器を使用している業者さんは立ち合いでの粉骨をしていないので、粉骨に立ち会う予定が無いのであれば気になりません。

調べたところ、機器の価格が1基数十万円以上するようで、業者にとってはデメリットなのかもしれませんが、それだけ故人や遺骨のことを思いやってくれる業者さんと言えます。

※自動乳鉢の説明動画(英語)

ボールミル

ボールミルはセラミック容器の中に数個~十数個のボールと遺骨を一緒に入れて回転させることで粉骨します。

画像:(株)大商

メリット

この方式のメリットもカッターで切り刻まないので、遺骨にやさしい方式だと思います。
この機器も十万円を超える価格なので、遺骨のことをちゃんと考えてくれる業者さんと言えるのではないでしょうか。

デメリット

10個前後のボールと一緒に遺骨を回転させること、容器の形状が壺状であること。
この2つの理由で遺骨を100%回収することは難しいです。

ボール自体にも容器の角にも微細な遺骨は付着するためです。

人の手

最後は人の手です。
人の手で粉骨してくれるサービスを選択できる業者を選ぶことをわたしはおすすめしていますが、人の手で粉骨する場合にも、骨壺のまま行う業者と乳鉢やボウルで行う業者があります。

粉骨をする理由と方法|これだけは知っておきたい粉骨のこと
粉骨ってどうしてするの?粉骨をする理由は3つあります。ひとつは大きい骨壺が場所を取っているなどの理由で、嵩を減らしたいとき。ひとつはペンダントヘッドなどに入れて肌身離さずいたいとき。ひとつはご自身で海や山に散骨したいときです。嵩を減らしたい...

どちらもそんなに変わりませんが、すり鉢状になってる乳鉢を使用した方が、満遍なく粉骨ができるだろうと思います。

メリット

何と言っても心がこもっていると思いますし、大切に扱ってくれている気がします。
遺骨を扱うので、雑にする業者は多くないとは思いますが、やはり人の手に勝るものはないのではないでしょうか。

デメリット

やはり時間がかかることです。
また、もしもパウダー状にしてほしいという要望があったとしたら、手の粉骨では難しいでしょう。
ただ、こちらの記事にも書きましたが、パウダー状にする必要はありませんし、人の手で十分微細になります。

粉骨は必要なのか|いつどんな時に粉骨をする?パウダー状って?
粉骨とは粉骨とは火葬が済んだ遺骨をご自身または業者に頼んで粉砕することをいいます。粉骨の後散骨をする場合、それが遺骨だと分からない状態にすることが求められています。では、遺骨だと分からない状態とは具体的にどれくらいでしょうか。粉骨する大きさ...

選び方

どの粉骨機器を使用しているかは、業者さんのウェブサイトを見るとだいたい分かります。
パウダー状という言葉があれば、ほぼ間違いなくミル(フードプロセッサー)方式です。
手粉骨であれば、それも必ず記載があります。

立ち合いたいならミル方式

遺骨を持ち込んで、立ち合いながら粉骨をお願いしたい場合は、ミル方式が良いでしょう。
業者と遺骨の状態によりますが、火葬してから日が経っていない場合はだいたい1時間から2時間程度で終わります。

やさしく粉骨したいなら乳鉢方式

時間をかけてやさしく粉骨してもらいたいなら乳鉢方式がおすすめです。
粉骨自体に時間はかかっているはずですが、返送されるまでの期間は他社と変わりません。

祈りを込めた人の手

刃物も動力も使わず、丁寧に思いを込めて粉骨してもらいたいなら人の手です。
機器で粉骨するよりは当然割高にはなりますが、それでもお金には代えられない部分でもあると思います。

ただ、人の手で粉骨すると記載されていても最後の仕上げだけが人の手で、前処理としてボールミルやその他の機器を使用している業者さんもありますので、よく確認するようにしてください。

粉骨業者を徹底比較=粉骨ランキング=
2019年最新版ランキングはこちら>粉骨とは粉骨とは火葬が済んだ遺骨をご自身または業者に頼んで粉砕することをいいます。粉骨の後に散骨する場合、それが遺骨だと分からない状態にすることが求められています。粉骨を業者さんにお願いする場合、大きく分...

粉骨機器まで気にしてみて

散骨したいから、手元供養の為に、分骨の為に粉骨してもらいたいなど理由はそれぞれあると思いますが、意外と粉骨の方法や機器までは気にしないのではないでしょうか。
自分で粉骨することもできますが、せっかく専門の業者にお願いするならこだわりを持って丁寧に粉骨をしてもらいたいですよね。

ぜひ、粉骨する際は参考にしてみてください。

タイトルとURLをコピーしました