平成29年の自殺者数は微減|自殺理由1位は経済的な問題。変死を自殺にしているってどういうこと?

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平成15年をピークに減少傾向

昨年(平成29年)1年間の自殺者は21,321人で過去最低水準にまで減少してきました。(警察庁発表)

平成29年の死亡者数は総数で約134万人と推計されていますので、およそ1.5%の方が自らの命を絶つという結果になっています。
これは1時間に約2.5人、たった1日で60人近い人が自殺しているという割合です。

平成30年の自殺者数(速報値)が発表されました>

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年代別に見ると50代の自殺者が最多

年代別の割合でみると、50歳から59歳の割合がもっとも高く、22.8%。
ついで80歳以上、70歳から79歳と続き、60歳代と働き盛りの40歳代の割合が拮抗しているのが分かります。

自殺を選んだ理由でもっとも多いのが健康上の問題。
そして経済的な問題です。

自殺者の中でも多いのが無職の方々(全体の約60%)なので、高齢で体調が悪く年金収入も見込めない高齢者や、派遣切りなどで再雇用が見込めない非正規雇用の中高年の自殺者が多いということが推測できます。

健康上の問題・経済的な問題に次いで多い自殺の理由が家庭問題と勤務会社の問題です。
家庭問題は外部からは分かりづらい部分ですが、無職者(全体の60%)の次に自殺者の割合が多いのは会社員(全体の約31%)という結果が出ていますので、テレビなどで取り上げられる過労死自殺がいかに氷山の一角か分かります。

わたしが以前働いていた会社でも自殺者が出たことがありましたが、会社の体制がその後もほとんど変わらなかったのには恐怖した覚えがあります。
もちろんテレビなどのマスメディアでは取り上げられることはありませんでした。

なぜ自殺した理由が分かるのか

なんらかの理由により自殺者が発見されます。
親族の通報であったり、近隣住民からの通報であったりです。

通報を受けて警察が調査(捜査)に行くわけですが、そこに遺書が残されていることが自殺理由がわかる理由です。
統計の中の自殺理由のうち4分の1は理由不明ですが、これは過去と比較すると激減しています。

例えば平成15年の自殺者数(現在のカウント方法とは異なる)は、総数で約34,000人でした。
そのうち遺書がある人(自殺理由が分かる人)は1万人で、反対に自殺理由不明の遺書がない人は2万4千人と全体の7割を超える大多数です。

なぜ極端に数が変わっているのでしょうか。

自殺と変死

日本の自殺者数は10万人超!
遺書がなく、かつ24時間以内に発見されない場合は自殺ではなく変死とカウントし、政府は意図的に自殺者を少なく見せている、政府の陰謀だ!

ネット上にはこのような極端な話題まで出ています(完全に間違いとはわたしも言い切れません)が、自殺者数は着々と減少し、変死体が増加していることは事実です。

なぜ陰謀論まで出てくるのかというと、WHO(世界保健機構)の統計方法と日本の統計方法が大きく異なり、WHOでは変死者の一部も自殺者として加算しているが日本では変死者を自殺者に含めていないというものです。

平成24年時点で日本の警察が扱う死体の総数はおよそ17万体で、そのうち変死体の数は約2万2千体。
犯罪死体・変死体以外の死体は約15万体です。

この15万体のうちの約半数が実は遺書がない自殺者だと言うのです。

遺書がない自殺者数が極端に減り、自殺者も急激に減ってきているのは自殺者数を他の死因に振り分け、日本の自殺者数を減らしたい政府の恐ろしい陰謀なのです。

 

 

陰謀はウソです!

まったくの嘘、デマです。
まず変死体は、病院以外で亡くなり死因が分からない場合を指します。
犯罪死体・変死体以外の死体とは、他殺なのか自殺なのか自然死なのか判別・判断出来ない場合を指し、病理解剖・司法解剖等を行います。

以前の記事で少し触れましたが、独居老人が孤独死してしまった場合の種別が変死です。

増える独居老人と孤独死|孤独死した場合の自分の遺骨はどうなる?
孤独死(孤立死)孤独死(孤立死)とは主に一人暮らしの人が誰にも看取られること無く死亡することを言います。よって、老人に限らず働き盛りと言われる世代であっても孤独死に当てはまります。ただ法律的な定義はなく、孤立した状態であっても自死を選択して...

遺書がない自殺者が激減しているのはなぜでしょうか。
それは統計を取っている省庁が異なり、統計方法も異なるためです。

統計の中の自殺理由のうち4分の1は理由不明ですが、これは過去と比較すると激減しています。
例えば平成15年の自殺者数(現在のカウント方法とは異なる)は、総数で約34,000人でした。
そのうち遺書がある人(自殺理由が分かる人)は1万人で、反対に自殺理由不明の遺書がない人は2万4千人と全体の7割を超える大多数です。

自殺理由の4分の1は不明

これは警察庁の統計です。
この統計の基礎となる自殺理由の判別は、警察が現場に到着して捜査を行った時点で行われます。
そのため、捜査時点で自殺と断定したものに限られます。
具体的には、遺書はあるが理由が何も書かれていない場合などです。

また、この統計は複数回答方式が採用されているため、「生活苦」かつ「人間関係」といった複数の理由を1人分の理由としてカウントしがちなことも分かりにくくさせている原因です。

遺書がない人が7割

これは厚生労働省の統計です。
警察の統計と異なる部分は、現場では判断がつかなかった変死体を検死した結果、自殺と断定されていることです。

現場主義と検死を経た結果主義の違いというのが本当のところです。
ですから2010年から8年連続で自殺者が減少しているのは事実であり、まだまだ2万人を超える人が自ら命を断っているとはいえ、自殺予防を懸命にしている方々の成果が表れていると言えます。

しかし、全体として減少傾向にある自殺者にも関わらず、減っていないのが子供たちです。

若年層の自殺

冒頭のグラフを見ると、19歳以下の自殺者は2.4%~2.6%で安定?推移しています。
しかし少子化が進む中で全体としての割合が変わらないということは、増加の傾向が見られるということです。

平成25年の警察庁のまとめによると、小中高生の自殺者の総数は320人となっていて、その内訳は以下の通りとなっています。
小学生:8人
中学生:98人
高校生:214人
※前述の通り変死は含まれません。

直接的な理由のうち、上位を占めるのは学校の問題(40.8%)、健康問題(19.5%)、家庭問題(18.6%)となっています。(文科省調べ)
学校の問題では「いじめ」が理由ではなく「進路や成績」が半数近く、家庭の問題では「親子関係・しつけ」が8割近くを占めています。

家庭の問題は他人がとやかく言うことではないのかもしれませんが、進路・成績も家庭の問題の延長と考えた場合、子供の自殺は親の行動や言動で大きく減らすことが出来るのではないかと思います。

15歳~19歳に限っていえば、死因の1位はケガでも事故でも病気でも、もちろん寿命でもなく自殺です。

2万人は仲間ではない

自ら命を絶つことを選択するときの精神状態や思考回路は分かりませんが、まず言えることは逃げ道はあるということです。

命にかかわることなので、軽々に助言や励ましはできませんが、ぜひ思いとどまってほしいと願っています。
もし悩んでいたら、誰も分かってくれないかどうか、念のため相談窓口にアクセスしてみてください。
2万人も自死を選ぶ人がいるなら安心ですか?
いいえ、その5000倍、1億人以上の人がこの国で生きています。

仲間はその1億人の中にいるはずです。

相談窓口

24時間こどもSOSダイヤル
0120-0-78310

こどものSOS相談窓口(文部科学省サイト)http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm

いのち支える窓口一覧(自殺総合対策推進センターサイト)
http://jssc.ncnp.go.jp/soudan.php

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