9月24日(金曜日)に東京ビッグサイトに行ってきました。
目的は「葬儀・埋葬・供養などの終活に関する設備・機器・サービス専門展 第4回エンディング産業展(ENDEX)」を見るためです。
会場となる東京ビッグサイトは「りんかい線・国際展示場駅」から徒歩7分、「ゆりかもめ 国際展示場正門駅」から徒歩3分の場所にあり、今回はりんかい線を利用して現地に赴きました。エンディング産業展全体の話はこちら↓
エンディング産業展(ENDEX)に行ってきました ①
霊柩車ブースの話はこちら↓
エンディング産業展(ENDEX)に行ってきました ②
今回はエンディング産業展の中で、みなさんが気にしている「遺骨ダイヤモンド」についてです!
遺骨ダイヤモンドとは
そもそも「遺骨ダイヤモンド」とはなんぞや?という方に簡単な説明を。
遺骨(遺体)の一部を使ってアクセサリーや宝石にして、身に付けたり身近に置いておいたりすることがあります。
大きな意味で「手元供養」と言われる行為ですね。
遺骨ダイヤモンドにも種類がある
遺骨ダイヤと言われるものにも種類があります。
ダイヤモンドの前に、まずアクセサリーのような手元供養を細かく分けると以下の分類になります。
・火葬後に粉骨した遺骨を専用アクセサリー内に納める。
・火葬後に粉骨した遺骨を特殊加工によって人工ダイヤモンドに変化させる。
・火葬前の毛髪や爪などを使って、人工ダイヤモンドに変化させる。
また、ダイヤモンドではありませんが、火葬後に粉骨した遺骨を加工して人工サファイアと混ぜるものや、遺骨を真珠の核として使用した遺骨パールもあります。
遺骨を専用アクセサリーに納める
遺骨アクセサリー、遺骨ペンダント、メモリアルアクセサリーなどと呼ばれるものです。
遺骨アクセサリーも細かく分けると2種類あります。
・遺骨をそのまま納めるタイプ
・遺骨を樹脂で固めて埋め込むタイプ
そのまま納めるタイプ
そのまま納めるタイプはほとんどがペンダント型です。
キーホルダーやネックレスのペンダントヘッドとして身に付けます。
身に付ける自分自身になにかあったときには中身の遺骨を取り出すことが出来るので、最終的な処分に困ることはありません。
価格が千円台~数万円まで幅広く揃っています。
樹脂で固めるタイプ
遺骨を樹脂で固めるタイプは、リングやペンダントヘッドなど選択肢が多いのが特徴です。
画像はリング内側に樹脂を固めていて、見た目は普通のリングに見えています。
遺骨部分を取り外すことが出来ないわけではありませんが、ひと手間かかります。
また、土台となるアクセサリー価格に割高感を感じます。
遺骨からダイヤモンドを作る
遺骨からダイヤモンドを作ることが可能かどうか。
骨はカルシウムなのだから、純粋な炭素でできているダイヤモンドはできないのではないか
私たちには確認のしようがありませんが、たぶん可能です。
生きている状態であれば、私たちの体の大部分を占めるのは水(水素と酸素)です。
この次に多くを占めるのがタンパク質を構成する炭素です。
実は生きている状態であれば、カルシウムは1%にも満たない成分です。
火葬後は骨だけになるのでカルシウム感がすごいですが、現実的には炭素もある程度残留するだろうと思います。
その炭素からダイヤモンドを作るのが「遺骨ダイヤモンド」です。
髪の毛などからダイヤモンドを作る
遺骨がない場合や遺骨は使いたくない場合、遺骨(カルシウム)からダイヤモンド(炭素)が本当に作れるのか懐疑的な方向け?に、毛髪や爪からダイヤモンドを作るタイプがあります。
毛髪や爪はダイレクトにタンパク質(炭素)なので、極めて少量でダイヤモンドを作ることが出来ます。
遺骨をダイヤモンドに
遺骨をダイヤモンドにしたい場合、遺骨から作る方法と毛髪などから作る方法の2種類があることが分かりました。
今回エンディング産業展に出展していた2社に話を聞いてきました。
あくまで私個人の感想であることをご了承ください。
アルゴダンザ
遺骨からダイヤモンドを作る方法と、毛髪からダイヤモンドを作る方法のどちらの方法にも対応しているスイス企業の日本法人。
0.16カラット39万円~1.05カラット248万円という一般人からすると超高額な価格設定です。
お墓を購入することを考えればそこまで高額とはいえないかもしれませんが、なかなか簡単に決められる金額でないことは確かです。
ダイヤモンドの詳しい製造過程などはアルゴダンザのHPを見ていただくとして、私が気になったのは2点。
ひとつは遺骨の量。
ひとつは遺骨の処分です。
カラットにかかわらず遺骨の量は同じ
ダイヤモンドに加工するのに必要な遺骨の量は一律約300g。
これは1カラットのダイヤモンドを注文しても、0.16カラットのダイヤモンドを注文しても同じ量を使用するそうです。
0.16カラットは約0.032グラムで、1.05カラットは約0.21グラムです。
その差は約6.6倍。
出来上がるダイヤモンドの大きさによって使用する量が変わるのではないか?と質問をしましたが、大きさに関わらず300グラムが必要という説明が繰り返されるだけでした。
あまった遺骨は捨てられる
遺骨から炭素成分だけを抽出してダイヤモンドにするということは、遺骨の成分のほとんどであるカルシウム、まさに骨自体は使われません。
ダイヤモンドに加工するのにカルシウムは不要なので使われることはありません。それは分かります。
では、使われなかった骨はどうなるのか。
捨てられます。
アルゴダンザの方は「捨てる」という言葉を決して使いませんでしたが(当たりまえ)、わたしが「捨てるということですか?」という問いに、
「廃棄物として適正に処理をします」
という返答を繰り返していました。
希望してもお骨を返してくれることはありません。
気にしない方にはどうでもいいことだと思いますが、海に散骨するわけでも合同墓に永代供養するわけでもなく捨てるというのは、多額な費用を支払って遺骨をダイヤモンドにしてまで身に付けておきたい人からすると大問題だとわたしは思います。
だって、お骨を返すことは難しいことではないからです。
スイスからの送料がちょっとかかるくらいで。
返せないとなると、個々の遺骨がきちんと管理されていない(他の人の遺骨と混ざっている)のでは?と穿った見方をせざるを得ません。
この部分が解決されると、お金のある人は利用しやすいのではと思います。
出来上がりのカラーは人それぞれ
遺骨から作られるダイヤモンド(天然のダイヤモンドも)は、不純物の量や種類によってカラーが異なります。
アルゴダンザで作られるダイヤモンドはほとんどが青色をしているということです。
天然のダイヤモンドが青くなる原因物質は「ホウ素」と考えられていますが、火葬後の人体にホウ素が含まれているとは考えずらいので、加工工程で使う薬剤に起因するのでしょう。
髪の毛や爪をダイヤモンドへ
エミアス
NEコミュニケーションというコンサルティング会社が総代理店を務める遺骨ダイヤモンド。
総代理店というからには、どこかの会社が製造しているわけですが、それがどこなのか記載されていないため、実態がまったくわかりません。
よくよく調べてみると、花祭壇という会社(東北の大企業)が開発したようですが、それにしても製造場所や方法についてのアナウンスがありません。
0.3カラット35万円~と、アルゴダンザのダイヤモンドよりは安いですが、決して安いわけではないにもかかわらず、会社実態が不透明過ぎて不安に感じます。
この会社は2017年11月末から販売代理店を大々的に募集しているので、葬儀屋さんでパンフレットなどを目にすることがあるかもしれません。
会場でもらった代理店用のパンフレットがこちら。
日本製で納期45日
エミアスダイヤモンドは(どこかは分かりませんが)日本で製造されます。
納期は45日。
アルゴダンザの納期は6か月以上なので、それを考えるとすぐに手元に戻ってくるのはうれいいですね。
遺骨から作るのと違い、ほぼ無色透明のクリアーなダイヤモンドができるので、本当に普通のダイヤモンドアクセサリーと変わりませんでした。
エミアスダイヤモンドの料金
エミアスダイヤモンドは0.28カラット35万円~1.08カラット150万円と、アルゴダンザと比較すると大きければ大きいほどお買い得な価格設定となっていて、1カラットの価格差は100万円です。
安いのか高いのか分かりませんが、会社情報に透明性が出てくれば利用したい人は多いと感じました。
ダイヤモンドにすることが目的か
遺骨ダイヤモンドを作りたいと思うきっかけは、多くの場合「いつも身に付けていたい」ということだと思います。
ただ、売ることはできませんし、親や祖父母から受け取るのもちょっと。。。となることがあります。
となると最終的には自身とともに火葬して灰になるので、その金額に見合うと思った方は利用すると良いと思いましたが、身に付けていたいなら他の方法でも良いのではないかとも思いました。
身に付けるだけならダイヤモンドである必要はないので、遺骨、遺灰から完全に変わったもの(物質)になるのは私自身は抵抗があります。。。
「生まれ変わったら何になりたい?」
「ダイヤモンド!」
という人には是非おすすめです!