ペットは埋めてあげてください。
自宅の庭にペットを埋めても問題はありません。
火葬をして遺骨にしても、亡くなったままの状態でもどちらでも大丈夫です。
ただし、自分の所有している土地でなければ違法になります。
ペットの場合は人と異なり、適用される法律が異なります。
廃棄物処理法
廃棄物処理法では動物の死体は廃棄物として定義されています。
第二条 この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のものをいう。
この法律によって、自治体がペットの遺体をを引き取った後に一般ごみとして焼却することが問題になることはないのです。
他方、ペットはその辺にいるハトやカラスと異なり、家族の一員(愛玩動物)として生活している実態があることから、もう一つの法律を適用する動きが出て来ています。
動物愛護法
動物愛護法においては、現在のところ遺体の処理についての条文はありません。
ペット販売業者やブリーダー向けに規制を厳しくしている部分はありますが、基本的には昭和48年から変わっていません。
まだ犬が番犬として飼われていた時代です。
(まだ番犬としている家庭ももちろんあります。)
ところが現在、この動物愛護法にペットの遺体の火葬や埋葬について規制を作った方が良いのではないかという動きが環境省から出ています。
理由は一向に減らない悪徳業者への対策です。
預かったペットを不法投棄
2010年4月、埼玉県飯能(はんのう)市の山林に犬猫約100匹の死骸が遺棄された事件で、動物葬祭業の元町議、阿部忍容疑者(71)を逮捕される事件がありました。
「別の業者に火葬を依頼する費用を浮かせたかった。金もうけのためにやった」というものです。
この事件の容疑は廃棄物処理法第十六条違反でした。
これにより
五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。という罰則規定が適用されることとなります。
しかし判決は、懲役2年6か月(執行猶予4年)罰金50万円でした。
ありえませんよね。
ありえませんが、動物を殺めたわけではないためこのような判決になったということです。
ペットの遺骨を埋葬することと話が逸れましたが、廃棄物処理法では限界があるのも確かなようで、動物愛護法でも取り締まりを強化していくことになっているわけです。
動物愛護法の対象
動物を扱う業界や団体はたくさんあり、それぞれ動物愛護法によって規制や指針が設けられています。
現在動物愛護法が適用される業態は以下のとおりです。
ペットショップ
ブリーダー
ペット輸入業者
露天等における販売のための動物の飼養業者
飼養施設を持たないインターネット等による通信販売業者
ペットホテル業者
ペット美容業者
ペットシッター
ペットレンタル業者
映画等のタレント・撮影モデル・繁殖用等の動物派遣業者
動物の訓練・調教業者
出張訓練業者
動物園
水族館
移動動物園
動物サーカス
動物ふれあいテーマパーク
乗馬施設
アニマルセラピー業者
火葬場・霊園は対象外
ご覧のとおりペットの遺骨を取り扱うペット火葬やペット霊園はもちろん、個人でペットを埋葬することについて、動物愛護法では触れられていないのです。
なぜなら亡くなってしまった時点で廃棄物とみなされてしまう条文が動物愛護法にあるからです。
※ペット霊園に埋葬する場合は廃棄物とみなさないとしています。
自宅の庭に埋葬
ペットが亡くなったら、自宅にそのまま埋葬して大丈夫です。
大丈夫ですが、体力に自信がなかったり隣家と著しく接近しているときは火葬してあげてください。
火葬せずにそのままの形で埋葬してあげても違法ではありません。
ただ、深く穴を掘らなければなりません。
一般的には70センチから1メートルくらいと言われていて、深く掘らないと困ったことがおきます。
・臭いの問題
・野生動物の問題
臭いの問題
ペットの遺体は土に埋めてあげると時間をかけて土に還っていきます。
本当に長い時間です。
長い時間をかけて微生物などに分解されて行く過程では、どうしても臭いが発生します。
穴の深さが浅すぎると、梅雨時などは臭いが漏れてしまう可能性があります。
一度埋めてあげたペットを掘り起こすわけにはいきませんから、しっかりと準備をしてあげてください。
深く掘れば臭いの心配はありませんが、それでも心配な場合は石灰や炭を撒いてから埋めてあげると良いでしょう。
ホームセンターの園芸コーナーに売っています。
野生動物の問題
近くにいないようで生息しているのが野生動物です。
極端に浅く掘った穴では、臭いの問題の前にペットの遺体が無残な状態になります。
ちょっとグロテスクな話になってしまいますが、まず内臓が食べられてしまいます。
わたしが子供のころに実際にやってしまったことで、今でも目に焼き付いています。
せっかく弔ってあげるのであれば、そんなことは避けたいはずですので、かならず深く穴を掘ってから埋めてあげてください。
命の循環
お庭に大切なペットを埋めてあげることはとても素晴らしいことだと思います。
せっかく埋めてあげるスペースがあるなら、ぜひそうしてあげてほしいとわたしは思います。
もしも小さいお子さんがいるならなおさら自宅に埋葬してあげてほしいです。
そして、10年後20年後に大きくなりすぎない木を植えてあげてください。
ペットの名前を付けた「○○の木」のように。
きっと命の尊さと命の循環が見に付くのではないでしょうか。
この記事を見てくださっているということは、ペットが亡くなってしまったのかもしれません。
お役に立てれば幸いです。